1: 2017/01/15(日) 15:07:03.21 ID:CAP_USER9
◆新作『Ambitions』は、単なる「海外仕様」ではない
アメリカ進出の第一歩だった前作『35xxxv』(2015年)には、まだ残っていた――というか、あえて残していたところもあると思うが――日本っぽい情緒的なメロディーや曲展開を取り去ったアルバム。
演奏も、アレンジも、それぞれの楽器やシーケンス等の録り音も、どの音がどのタイミングでどの位置で鳴っているかなどの細部まで含めて、本当に海外仕様な、ワールドワイドクラスなスケールの鳴り方をしているアルバム。そういった音像でありながら、緻密さや精巧よりも、豪快で荒々しいグルーヴを聴き手にぐっさりと残すアルバム。
そして。2015年から活動の軸足をアメリカに移したことも含めて、このアルバムからはある程度、国内のファンが振り落とされていってもやむを得ない、それでもこっちに進むのが正しいんだ、という決意までして、腹をくくって作ったアルバム。
本人たちの発言や、現在バンドを取り巻く状況を鑑みた上で、ONE OK ROCKのニューアルバム『Ambitions』を位置づけるなら、そんなような作品だ、ということになるのだろう。しかし、国内の聴き手は、結果的に誰も振り落とされないのではないか。みんなただただ狂喜するばかりなのではないか。そう思えてくる、何度も聴けば聴くほど。
ONE OK ROCK ? We are -Japanese Ver.- [Official Music Video]
https://www.youtube.com/watch?v=CRLLWNIqb8w◆ここには、日本でヒットした洋楽バンドの「メロディー感」がある
完全海外仕様を目指しても、そのために自らのドメスティックな要素を除外したとしても、それであってもどうしても曲ににじんでしまう、自然に出てしまう、(言葉が平易で申し訳ないが)日本的な叙情性みたいなもの。ここまででっかいスケールの音のアルバムになっても、それが感じられるのである。
しかも、ストレートにそうなのではなくて……かなり変なたとえだが、1970年代や80年代の頃から、デビューの時点で「これ日本でウケそうだなあ」と思わせるメロディーを書く洋楽ロックバンドがいくつかいた。そういったバンドは、先に日本で火がついて、そのあと本国でブレイクしたりした。というようなバンドたちに近い、なんというか、ナチュラルなハードルの低さというか、聴き手を拒絶しない匂いがあるのだ、このアルバムのONE OK ROCKのメロディーは。
QUEENもCheap Trickも、最初に売れたのは日本で、そのあと本国でも認められた――という有名な例に関しては、僕は時代的に間に合わなかったのだが、自分がリアルタイムで知っている例を挙げるなら、BON JOVIがデビューした時、「うわ、これ日本でウケそうだ」と思ったらやっぱり熱烈に歓迎されて、その2年後くらいにアメリカでブレイクした例を思い出す。
と書いてみて自分で思った。全然似てねえよ、初期BON JOVIのメロディーとONE OK ROCKのメロディー。QUEENともCheap Trickとも似てねえよ、もちろん。でも「ハードルの低さ」、あるいは「聴き手を拒絶しなさ」を持っている叙情的なメロディー、というふうに言えば、やはり、通じるものはないことはないような気がする。
「懐かしいメロディー」ということではない。海外産だけどなぜか日本にハマる、という意味合いである(もちろんONE OK ROCKは海外産ではないが、ロサンゼルスを拠点に録音された今作は、ある意味海外産だと言っていいと思う)。
ONE OK ROCK: Taking Off [OFFICIAL VIDEO]
https://www.youtube.com/watch?v=slbGwyE_9oYONE OK ROCK ? Taking Off [Studio Jam Session]
https://www.youtube.com/watch?v=y6swyQ9bF7w続きを読む
Source: ヤホーニュース
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